2017年07月

今年久々に訪れた越後のとある渓流。

若い頃は良く来た川ですが、開発が進み、今では昔の面影はありません。

ただ上流域にはあまり行ったことがなく、この日は上流を目指しました。

しかし運悪く林道に落石があって途中で足止め。

仕方なく戻ってきたのですが、この川にまつわる話を何気に思い出したのでした。



それは確かお店を開店してまもなくの頃ですので、90年代後半だったと思います。

一度だけご来店のお客様の話で、この川の上流、第六堰堤から上にはツチノコが居て、飛んで襲いかかってくるというのです。

にわかに信じられない話でしたので、その時は聞き流したのですが、長い年月が経った今、果たしてその根拠は何だったんだろうと興味が湧いて来ました。


長年この地には通っていますが、この地方でツチノコの話を聞いたのは後にも先にもこの話だけです。

あらためて地図を見ても、やはり上流に堰堤は6カ所もありません。

どう考えても作り話としか思えませんが、一応ネットで川の名前とツチノコで検索してみると、僅かに引っかかってきたのが「山本素石」の随筆の一文です。

そこには確かにこの川とツチノコを結びつける話が出ていましたが、全文が読めずに因果関係までは分かりません。


本のタイトルは「逃げろツチノコ」、山本素石著、初版は1973年です。

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渓流釣りをしている人でこの人の名前を知らない人は居ないでしょうが、ツチノコ研究でも有名な方でした。

こうなるとさらに興味が湧き、さっそくこの本を購入。

読み進むにつれてこれが面白くてあっという間に読み終えました。

昭和を舞台とした山や渓流の話は興味深く、さらに当時のキ印な人達の熱意と根性には驚くばかりです。

こんな人たちが昭和を面白くしていたのでしょう。

今までツチノコは幻だと思っていましたが、この本を読み進んで行く内に実在している気になってきました。


肝心な越後の渓流とツチノコのお話は、ある意味で一番大切な話として最後に書かれています。

次回から森に入るときは周りを良く見てみましょう。

伝統ある英国のファーロー。

日本でフライフィッシングが入ってきた時代では、HARDYと共にポピュラーなブランドでした。

ロッドもリールも多くの銘品を残しています。



さて写真のフライボックスほそんなFARLOW製です。

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銘板から60年代以降のものと思われます。

寄せ木で作られた宝石箱の様な贅沢な造り。

中を開けるとアクリルで仕切られた二層式です。

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ドライとニンフやウェットを収納できます。


ちょっとオシャレでヴィンテージなフライボックスです。


詳しくは下記をご覧下さい。

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渓流のフライフィッシングではドライフライがメインですが、今年はニンフの出番も多く、かなり助けられています。

シーズン初期は18番でしたが、ハイシーズンの今は12番が中心。

渓流ではドライからニンフへの切り替えの手間を考え、ニンフはビーズヘッドにし、ショットは付けません。

ビーズの重さがフライのサイズと比例してきますので、狙うポイントの水深によってフライの大きさが変わります。

これにフラットのシール式のマーカーの組み合わせで、ほぼドライフライの交換と同じ程度の手間でニンフに切り返すことが出来ます。


面倒でもこまめに切り替えることで、一場所で二度おいしいこともあります。

久々に行こうと思ったポイントの林道が荒れてしまって、車が入れません。

ジムニーでもあれば行っちゃいますが、アウトバックだと流石に躊躇しました。

自転車だったら行けそうなので、後々のために久々に倉庫から引っ張り出して見ました。

もうずいぶんと乗っていないので、両輪空気が抜けていましたので、空気入れで入れようと思ったら、まったく入りません。

ムシを外してみるとご覧の通り。

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ゴムが溶けてました。

自転車屋さんに行ってバルブを購入して交換。

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アシスト付きですので、これにバッテリーを付ければ完全復活。

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これでスタンバイOKですが、秋の方が大物が釣れる場所。

それまでは取っておきましょうか。

残された時間は約2時間。

どうせなら数よりも大型が狙える川へ行こうと言うことになって、入渓点から行けるところまで行くことに。

増水、笹濁り。絶好のコンディションでしょう。

ドライフライで細かなポイントはササッと打って、大場所はじっくり。

まずは中型イワナがSさんに。

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さらにちょっとした滝下でドライを打つも反応がありません。

ちょっと肩すかしで、滝を巻こうと近づきふと水面に目を落とすと、
底ベッタリに良型イワナが定位しているのが見えます。

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かなり近づいたのですが、運良くこちらには気がついていません。

滝の下は手前で二筋に流れが分かれていて、右側が強く左が弱いのですが、水深があるのは弱い左側。

イワナはそこに張り付いています。

静かに後ずさりして後ろにいるSさんに少し待って貰いここでニンフに交換。

水深がありますので、重めのビーズヘッドヘアーズイヤー10番。

落ち込みにフライを打つと右の流れの強いほうにフライが持って行かれてしまって2度失敗。

しかし3度目に上手く左の流れに乗ると一発でした。

やはりデカい。

水中で掛けた分、さらにデカく見えました。


35はあるかと思ったのですが、そこまでは無いものの堂々の尺イワナでした。

こんな写真の方が臨場感があると思います。

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さらにもう一枚。渓流のイワナらしく頭と尾ビレがデカいです。

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ここでほぼ目的達成。



この先もドライに替えて交互に釣っていきましたが、大場所では良型連発でした。

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そしてSさんのロッドが満月に。

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端から見ていても尺はあるかと思ったのですが、少し足りません。

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その後も良いポイントでは反応が良く、

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綺麗なイワナが釣れたので、写真を撮っていると、上で釣っていたSさんがなにやら大騒ぎです。

駆けつけてみると、これまた大型。

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今度こそ尺越の立派なイワナでした。


これでもう十分でしょう。

これを最後に川を後にしました。


終わってみれば今日も大漁でした。

太田に戻ってから焼きそばと唐揚げで打ち上げ。

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良い週末でした。

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